修理・特に巻上げ部
 
ペンタコンシックスの多くが駒ダブりの問題を抱えている。これを持病と言うのは簡単であるが、深刻な問題である。まず、その理由から考えてみたい。

一口に「駒ダブり」といっても、下記の2つに大別できる。
1:画面同士が少しずつ離れて行く駒ダブり(プラクチシックス系に多い)
2:駒間隔が不安定で、かつ、駒ダブりを起こす(ペンタコンシックス系に多い)

インタネット等で紹介されることで、巻上げレバー終点の突起を回転、調節してフィルム巻上げ量の調整を行って良好な結果を得る方式は一般的に知られるようになったが、これは上記「1」の症状を持つカメラにとって微調整としての効果は期待できる。
問題は上記「2」の症状をもつカメラである。

巻き上げレバーはシャッタチャージとフィルム巻上げという2つの役割を持っている。
常に一定の量を巻き上げれば良いシャッタチャージに対し、フィルム巻上げは撮影が進むにつれて巻上げ量を調節しなくてはならない。
これを同一の動作で処理するためには、両者の間には差動が必要となる。
プラクチシックス系は差動を巻上げ機構内で処理していたため、巻上げ量の微調整でフィルムの送り量も割合容易に調節できる。
一方、ペンタコンシックス系ではフィルムの送り量を検知するためのシリンダーが設けられ、シリンダーの回転量(フィルムの送り量)とシャッタチャージを等差にする機構が増設されている。これらの連動が駒ダブりの鍵を握っている。
1:シリンダー上部には歯車が設けられており、隣り合わせた窪みが付いた円盤を装備した金色の歯車に連結している。

2:適切な量フィルムが巻き上げられると、巻上げ機構とレリーズボタンに連動して動く爪が窪みに入る。この時、等差機構が巻上げ機構から分離され、これ以上フィルムを巻き上げない。(巻上げ機構はシャッタチャージ専業となる)

3:歯車と円盤の間にはゴムと思われる樹脂の部材が使われ、滑クラッチになってフィルムの送り量を円盤に的確に伝達する。円盤に的確に伝達している。
 
 
3:歯車と円盤の間にはゴムと思われる樹脂の部材が使われており、その部材が一種の滑クラッチになってフィルムの送り量を円盤に的確に伝達している。

4:急速な巻上げ等を行うと滑り量が多くなり適切な伝達が損なわれる。また、部材が劣化した場合には適切な伝達が損なわれる。

5:部材の劣化は、シリンダーを指で回転させると判断できる。完全に劣化しているものは常に空転している感じであるが、部材が健常な場合には回転がストップする。
これを構造上の欠陥と言うのは容易だが、経年変化と考えて適切なメンテナンスを施す事が必要だと思われる。私の場合、完全に劣化した部材をゴムで新たに作成して使用してみたが、割合良好な結果を得ている。
とりあえず、これが私なりの駒ダブり問題の対処法である。

※修理マニュアルを見てみると、油脂で固着する部品について触れられているので、恐らく間違いではないと思われる。
 
 
1/125秒とバルブの問題

1/125秒の位置はシャッタの低速と高速の切り替え位置に相当している。この切り替えが円滑に行われないとシャッタの動作が停止する。(Bになる)
この現象の原因は経年変化に伴う3点に分けられる。もしくは複合している。
1:幕速の低下→幕速調整
2:調速部の作動不良→調速部の分解清掃
3:シャッタ幕の硬化→幕を交換する他に対処法は無い。
 
その他の機構部の破損

あまり無いが、実際に見た破損に巻上げ機構部の部品のレバー折れ・変形がある。
巻き上げてもシャッタチャージしない場合、この破損が考えられる。折れやすい部品でもある。最初期のプラクチシックスで該当部品が破損していたものを、最後期頃から部品を外して装着してみたところ、何の問題も無く流用できた。
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